鬼ジェミオスマン

【特長&チート能力】
●2体に分離して2対1の戦いが可能。2体に分離している時、同時に同じ個所を破壊・切断されなければ死ぬことはない。
●巨大化&縮小化能力で敵の体内に侵入し、敵の内部から肉体の破壊が可能。

『第十六章 吸血鬼VS鬼』引用

16.11 鬼のジェミオスマン
 
 4本腕、四ツ目、3本角の鬼、ジェミオスマンは並行世界の地球に棲みついた異星人である。人間を遥かに凌ぐ強靭な肉体とパワー、そして特殊能力がある異星超人と呼ぶべきだろう。
 
 およそ500年前、並行世界に存在する天の川銀河のとある惑星から、彼ら鬼種族が地球にやって来た。
 なぜならば、500年以上前に、彼ら鬼種族が生息していた母なる惑星に巨大な隕石群が降り注ぎ、あらゆる生物が絶滅の危機に瀕したからだ。
 
 彼らの生き残りが宇宙船で惑星を脱出、そのうち100名にも満たない鬼種族が数十年の時を経て、命からがら地球に辿り着くことができた。
 燃料の少なかった宇宙船は無事不時着できたものの、再度、地球から離脱するための飛行機能を完全に喪失してしまった。
 
 やがて鬼種族は地球に棲みつくことを決意する。
 地球の原住民、人間の存在を知っており、現地の文明と衝突しないよう身を隠し、人里離れた山奥に住み着いた。
 人間と同じように食料を自給自足、なんとか生き延びて平和に生活を送ってきた。
 
 長い年月の間に、現地の人間に姿を見られてしまうこともあり、頭に角を生やす風貌を『鬼』と名付けられ、伝記としてその存在が語り継がれた。
 鬼種族とは、人間が勝手につけた名称であって、彼らが自ら名乗っていたわけではない。
 
 頑丈な肉体ではあったが、地球現地の病原菌に対する免疫がないことで多くが命を絶やしてしまう。
 そして双子の鬼、ギルとデズが最後の鬼種族として地球に生き残った。デズが死にかけた時、デズの魂をギルの肉体に宿らせ、二つの魂が一つの肉体を共有する鬼種族の秘術を施し合体に成功する。
 
 ジェミオスマンが大会に参加した理由は、優勝して、地球以外に逃げ延びたであろう同種族の仲間を見つけ合流するという夢を叶えるためだった。
 
 彼が息絶えれば、地球上でもう生き残りはいない。
 異星から逃げ延びてきた鬼種族は、そんな苛酷な運命に翻弄され続けた悲しき存在なのだ。
 願わくば、他の惑星で彼ら種族が元気に生存していて欲しいものだ。
 

第十六章 吸血鬼VS鬼



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