


【特長&チート能力】 ●妖狐術、護符神術、呪符魔術を行使し臨機応変に戦う。“根性”という言葉が好きな熱血キャラ。 ●最終手段として、敵と入れ替わることができる。 |
『第五十二章 妖狐VS格闘家』引用 52.14 九尾の妖狐『九妖妃』 九妖妃は、AI小説『九尾のよう子ファイティン!』の女主人公である。 10年前にAI小説執筆アプリによって制作され、全て機械が物語を創作した世界初の小説だ。メディアミックス戦略によりコミカライズ、アニメ化までしている超ヒット作なのだ。 四本足、かつ、九本の尻尾を持つ妖狐形態——九尾の狐——が本来の姿なのだが、獣人に変身し人間形態で行動するときは狐耳と九本の尻尾は隠している。 そして彼女のように人間に化けて活動している妖狐を、妖狐界で『秘狐(ヒコ)』と呼んでいるのだ。 彼女の妖狐社会での正当な名称は『九妖妃』、人間社会に溶け込んで活動している時は、『九尾よう子』と名乗っている。小説タイトルの『九尾のよう子』とは、九本の尻尾を隠した『よう子ちゃん』というニュアンス。 ではなぜ小説の登場人物が、この多元宇宙統一最強決定大会に出場しているのか。 まず、異世界『アナザーワールド』は、原形世界を創造した神々が原形世界に誕生した人類の存在を参考にして新しく創造した箱庭のような世界、と考えられている。 また、異世界の一種として仮想空間『メタバース』も存在する。それは現実世界とは浮世離れした妄想の仮想世界が顕現化したとも考えられている。 勇者シン・ガイディーンもゲームという創作物の登場人物であり、空想世界のキャラクターが顕現化したという点で九妖妃と非常によく似た超常現象だ。 しかし、両者の存在には根本的な違いがある。 勇者シン・ガイディーンのゲーム世界は、異世界としてどこかの次元で創造され存在している。 つまり原形世界と異世界間で往来が可能なのだ。 一方、小説『九尾のよう子ファイティン!』の空想世界そのものは異世界として創られていない。つまり九妖妃というキャラクターだけが物語から飛び出し、現実世界で顕現化している。 彼女は自分の世界に戻ることはできないのだ。 彼女自身、そのことを理解している。 そして彼女にも戦士としての矜持や向上心がある。優勝報酬の望みがどうとかいう前に、己の強さを試したいという思いで、大会に参戦した。 あくまでも小説の設定上の話ではあるが、九妖妃は妖狐にして退魔士だ。その意味で、影妖怪アシュカの立場に酷似している。 妖怪の身でありながら、稲荷神社の巫女として人間社会に溶け込んで暮らす生活が気に入っていた。女子高生も演じ、人間の友人も少なくない。退魔士という裏稼業で暮らしを立て、妖怪退治によって人間の命を救ってきた。 要するに人間が好きなのだ。 大会終了後も、退魔士として現実世界で暮らしていきたいと願っている。 |



