【尾暮新人(おのくれあらと)の人物紹介】 ●種族:どこにでもいる至極普通の人間 ●人物:健康的な23歳の青年、ヒーローじゃない ●職業:アパレル関連企業の新商品試用テストパイロット ●性格:正直、能天気、楽観的 ●長所:やると決めたら最後までやり遂げる ●短所:本音が駄々洩れする ●趣味:格闘ゲーム(下手くそ)、硬式テニス(下手くそ) ●好きなもの:アクション映画、Kpopアイドル、躍動する事、躍動する者、躍動する物 ●苦手なもの:怪物が食べられてしまう映像、フランス料理ミックスフルコース ●最近の動向:就職した(一応)、好きな人ができた(テヘヘ) |
『インスパイアリング・リスペクツ―マルチバース・コロシアム―プロローグ』引用 2045年、シンギュラリティ(技術的特異点)は人知れず僕らの地球に到来したらしい。 ただ、令和生まれの僕からすれば、成人して大学もなんとか卒業したけど、これといって風景や街並みが特別変わったようには感じていない。まぁ、AI技術がものすごい進化を遂げていることに間違いはないが。 しかし、しかしだ、僕だけは僕の人生史上、いや、人類史上と言い換えてもいいのかもしれないが、最も不運な年がやって来たと思っている。 多元宇宙統一最強決定大会、題して『マルチバース・コロシアム』 トーナメント参加枠は32。優勝するためには5連勝。 僕は今、このトーナメントに参加している。多元宇宙の最高峰の存在になれというのか? そしてネタバラシをすると、僕はこれから決勝戦に挑まないといけない。 32枠の中には、ドラゴン、怪獣、恐竜、超人、銀河系帝王、悪魔、吸血鬼、鬼、妖怪、人狼、宇宙生物、サイボーグ、戦闘メカ、スーパーロボット、魔法少女、勇者、妖精、エルフ、未来人、幽霊、忍者、トレジャーハンター、オカルト教祖、他にはスライムだの、謎の玉だの、よくわからん真っ黒いマネキンだの、そして、そして、女子高生やメイド、プロゲーマーまで参加している。 そして、僕。 僕は就職先が決まらないまま大学を卒業し、就職浪人となってしまった、いたって普通の草食系モブ男子。ルックスはオタク系黒縁メガネ青年だけど、硬式テニスを中学時代から嗜んでいるので、まぁまぁの細マッチョかな。 ちょこっと能天気で楽天家の霊長類ヒト科オス、決して、魔王の隠し子であるとか、中身は超高性能のアンドロイドであるとか、どっかの宇宙からやってきた手から光線を出す宇宙人とかでもないし、アニメやマンガでよくある異能の持ち主とか、異世界転生者とかでは、断じてない。 本当に申し訳ございません。正真正銘、普通の人間なんです。許してください。怖いです。手が震えています。えぇ、まぁ、決勝戦ですから、死ぬ可能性も十分すぎるほどあります。 でも、ここまで勝ち上がってきた。実際、死ぬ思いをしてきた。殺された奴だっている。勝敗に生死は問われていないのだ。 どうやって決勝戦まで生き残れたのか。それを語るには、およそ45日前まで遡らないといけない。 |
